英数字の謎
ブランドバッグを眺めていると商品(シリーズ) 名の後に英数字が記載されているものを見かけることがあると思います。
これらの英数字は一体なにを表しているのでしょうか?
また、商品によっては英数字の組み合わせで構成されたパスワードのようなものが記載されている場合もありますが、これも一体なんなのでしょうか?
サイズ表記法
まず、「PM」や「30」といった英数字の意味ですが、これはその商品のサイズ表記です。我々が日常的に使い慣れ、見慣れているサイズ表記と言えば「S(Small)」「M(Medium)」「L(Large)」といった英語表記のものだと思います。しかし、世の中のサイズ表記には実にさまざまな種類があり、「S/M/L」も「PM」も「30」もそのうちの1つに過ぎません。
商品名+英字(例:グレースフルPM)
この「PM」という英字表記は英語のサイズ表記「S」のフランス語表記版と考えてください。
「PM」…「Petit Modèle(プチ モデル)」の略で「S」に対応します。
「MM」…「Moyen Modèle(モワヤン モデル)」の略で「M」に対応します。
「GM」…「Grand Modèle(グラン モデル)」の略で「L」に対応します。
「PM(S)<MM(M)<GM(L)」というサイズ関係になります。「PM(S)」よりも小さい「BB」や「TPM」、「GM(L)」よりも大きい「TGM」というサイズもあり、それぞれ「XS」と「XL」に対応すると言えます。
ここで注意したいのが、これらのサイズ表記は同一シリーズ内での大まかなサイズ比較を表すだけのものということです。同じ「PM」という表記があるからといって、「グレースフルPM」と「ネヴァーフルPM」といったような違うシリーズの「W(横幅/幅)×H(高さ)×D(奥行/マチ)」(サイズ)が同じなわけではないということです。
また、同一シリーズ内でも「PM/MM/GM」だけでは大まかなサイズ比較しかわかりません。シリーズによって「W×H×D」はまちまちですので、正確なサイズ比較をしたい場合はしっかりと「W×H×D」の項目を確認するようにしましょう。
商品名+数字(例:スピーディ・バンドリエール30)
この「30」という数字表記はバッグのW(cm)を表します。「スピーディ・バンドリエール30」といった場合、「この商品の横幅は30㎝ですよ~」と明記しているわけです。
ここで注意すべき点は、同じ「30」という表記があったとしても横幅のみが「30cm」と一緒なだけで、高さ(H)と奥行(D)は商品によって異なるということです。
なんにせよ、「PM」や「30」といったサイズ表記は大まかなサイズ把握の点ではわかりやすく便利なものですが、正確なサイズを知りたい場合は「W×H×D」の項目をしっかりと確認することが重要です。例えば、「グレースフルPM サイズ」で検索してもらえれば、簡単に「W×H×D」を調べることができます。ですが、ごく稀に間違ったサイズを記載しているサイトも存在していますので、「ルイヴィトン公式」などの調べたい商品のブランド公式ページで検索するのが一番間違いがないです。
型番表記法
商品名やサイズ表記以外の英数字で構成されたパスワードのようなものはその商品の型番を表しています。型番というのは、それ1つで対象商品をピンポイントで特定するもので、商品とその名前さえ分かっていれば事足りる場合がほとんどですが、型番がわかっていればより正確で詳細な情報を容易に得ることが可能です。例えば、「M43701」という型番1つだけで以下の情報を瞬時に得ることができます。※以下は「ルイヴィトン公式」で検索した結果です。
この型番は食品のパッケージ等に記載されてあるバーコードと同じような役割を果たしていると言えます。型番もバーコードも最悪なくてもなんとかなりますが、用途や場面によってはあれば非常に便利なものです。
さて、そんな型番ですが、バーコードが食品自体に刻印・印字されることがないように、型番が商品自体に刻印・印字されることはまずありません。あったとしたら、それは偽物の可能性が非常に高いです。
最後に、ブランドによっては型番に法則性を持たせたり、持たせずランダムに組んだり、そもそも型番を使用しなかったりとまちまちです。型番の法則性はブランドによって異なりますし、同ブランド内でも多種多様ですので、すべてを網羅してご紹介することはできませんが、以下によく見聞きするブランドの型番に見られる法則性を簡単にですがご紹介したいと思います。
ルイヴィトンの法則性
「英字1桁+数字5桁」の英数字6桁で型番が構成される傾向にあります。
「ダミエ・エベヌ」や「ダミエ・グラフィット」などのダミエ系統のものには「N○○○○○(数字5桁)」、「モノグラム」や「モノグラム・リバース」などのモノグラム系統のものとそのどちらにも属さない「エピ」や「タイガ」には「M○○○○○(数字5桁)」という型番が付く傾向にあります。
グッチの法則性
「数字6桁+英数字5桁+数字4桁」の英数字15桁で型番(スタイル)が構成される傾向にあります。
プラダの法則性
「英数字6桁_英数字3~4桁_英数字5桁_V_英字3桁」のアンダーバーを含む英数字22~23桁で型番(商品品番)が構成される傾向にあります。
バッグの場合、最初の6桁はサイズや形状を表し、女性用は「1B」、男性用は「2V」から始まります。次の3~4桁は素材、その次の5桁はカラーを表しています。「V」はバッグ全般に固定して付けられ、最後の3桁もバッグ全般に付きますが、これらが何を表しているかは不明です。
財布だと「英数字6桁_英数字3~4桁_英数字5桁」と、バッグとは違い「V」と最後の英字3桁はありませんが、それぞれが表すものはバッグと同じです。ただし、最初の6桁は女性用だと「1M」、男性用だと「2M」から始まるようになっています。