ブランド品のアレなぜ?コレなに?「”PMや30″てなに?」(R3.4/17UP)

英数字の謎

ブランドバッグを眺めていると商品(シリーズ) 名の後に英数字が記載されているものを見かけることがあると思います。

ルイヴィトンでの例(当社HPより抜粋)
エルメスでの例(当社HPより抜粋)

これらの英数字は一体なにを表しているのでしょうか?

また、商品によっては英数字の組み合わせで構成されたパスワードのようなものが記載されている場合もありますが、これも一体なんなのでしょうか?

ルイヴィトンでの例(当社HPより抜粋)

サイズ表記法

まず、「PM」や「30」といった英数字の意味ですが、これはその商品のサイズ表記です。我々が日常的に使い慣れ、見慣れているサイズ表記と言えば「S(Small)」「M(Medium)」「L(Large)」といった英語表記のものだと思います。しかし、世の中のサイズ表記には実にさまざまな種類があり、「S/M/L」も「PM」も「30」もそのうちの1つに過ぎません。

商品名+英字(例:グレースフルPM)

この「PM」という英字表記は英語のサイズ表記「S」のフランス語表記版と考えてください。

「PM」…「Petit Modèle(プチ モデル)」の略で「S」に対応します。

「MM」…「Moyen Modèle(モワヤン モデル)」の略で「M」に対応します。

「GM」…「Grand Modèle(グラン モデル)」の略で「L」に対応します。

「PM(S)<MM(M)<GM(L)」というサイズ関係になります。「PM(S)」よりも小さい「BB」「TPM」、「GM(L)」よりも大きい「TGM」というサイズもあり、それぞれ「XS」と「XL」に対応すると言えます。

英語とフランス語のサイズ表記

ここで注意したいのが、これらのサイズ表記は同一シリーズ内での大まかなサイズ比較を表すだけのものということです。同じ「PM」という表記があるからといって、「グレースフルPM」と「ネヴァーフルPM」といったような違うシリーズの「W(横幅/幅)×H(高さ)×D(奥行/マチ)」(サイズ)が同じなわけではないということです。

また、同一シリーズ内でも「PM/MM/GM」だけでは大まかなサイズ比較しかわかりません。シリーズによって「W×H×D」はまちまちですので、正確なサイズ比較をしたい場合はしっかりと「W×H×D」の項目を確認するようにしましょう。

商品名+数字(例:スピーディ・バンドリエール30)

この「30」という数字表記はバッグのW(cm)を表します。「スピーディ・バンドリエール30」といった場合、「この商品の横幅は30㎝ですよ~」と明記しているわけです。

ここで注意すべき点は、同じ「30」という表記があったとしても横幅のみが「30cm」と一緒なだけで、高さ(H)と奥行(D)は商品によって異なるということです。

W×H×Dのイメージ図

なんにせよ、「PM」や「30」といったサイズ表記は大まかなサイズ把握の点ではわかりやすく便利なものですが、正確なサイズを知りたい場合は「W×H×D」の項目をしっかりと確認することが重要です。例えば、「グレースフルPM サイズ」で検索してもらえれば、簡単に「W×H×D」を調べることができます。ですが、ごく稀に間違ったサイズを記載しているサイトも存在していますので、ルイヴィトン公式などの調べたい商品のブランド公式ページで検索するのが一番間違いがないです。

型番表記法

商品名やサイズ表記以外の英数字で構成されたパスワードのようなものはその商品の型番を表しています。型番というのは、それ1つで対象商品をピンポイントで特定するもので、商品とその名前さえ分かっていれば事足りる場合がほとんどですが、型番がわかっていればより正確で詳細な情報を容易に得ることが可能です。例えば、「M43701」という型番1つだけで以下の情報を瞬時に得ることができます。※以下はルイヴィトン公式で検索した結果です。

情報①
情報②

①商品(シリーズ)名とサイズ表記

②カラー

③柄

④定価

⑤商品説明

⑥正確な「W×H×D」、素材などの詳細情報

この型番は食品のパッケージ等に記載されてあるバーコードと同じような役割を果たしていると言えます。型番もバーコードも最悪なくてもなんとかなりますが、用途や場面によってはあれば非常に便利なものです。

さて、そんな型番ですが、バーコードが食品自体に刻印・印字されることがないように、型番が商品自体に刻印・印字されることはまずありません。あったとしたら、それは偽物の可能性が非常に高いです。

タブに刻印された型番?(ルイヴィトンのバッグ内部)

しかし、商品をよく見てみるとタブや商品自体に型番に似た英数字の羅列が刻印・印字されている場合があります。これは型番ではなく製造番号ですので、この2つを混同しないように注意してください。ここでは詳しく解説しませんが、製造番号というのはその商品が「どこで」「いつ」製造されたのかを明示するものです。

食品のパッケージに記載されたバーコードを型番とするなら、製造所(製造者)と製造日欄が製造番号といったイメージになります。

型番と製造番号のイメージ

最後に、ブランドによっては型番に法則性を持たせたり、持たせずランダムに組んだり、そもそも型番を使用しなかったりとまちまちです。型番の法則性はブランドによって異なりますし、同ブランド内でも多種多様ですので、すべてを網羅してご紹介することはできませんが、以下によく見聞きするブランドの型番に見られる法則性を簡単にですがご紹介したいと思います。

ルイヴィトンの法則性

「英字1桁+数字5桁」英数字6桁で型番が構成される傾向にあります。

「ダミエ・エベヌ」や「ダミエ・グラフィット」などのダミエ系統のものには「N○○○○○(数字5桁)」、「モノグラム」や「モノグラム・リバース」などのモノグラム系統のものとそのどちらにも属さない「エピ」「タイガ」には「M○○○○○(数字5桁)」という型番が付く傾向にあります。

シャネルの法則性

英数字17桁で型番(品番)が構成される傾向にあり、この型番は大きく3つに分かれます。

最初の「A○○○○○(数字5桁)」は「クラシックハンドバッグ」といったシリーズ名、次の「Y○○○○○(数字5桁)」は「ラムスキン(子羊の革)」といった素材、最後の「英数字5桁」は「ブラック」といったを表しています。

グッチの法則性

「数字6桁+英数字5桁+数字4桁」英数字15桁で型番(スタイル)が構成される傾向にあります。

商品に12桁前後の数字が刻印・印字されている場合がありますが、これは製造番号ですので混同しないように注意です。

グッチ③

コーチの法則性

「C○○○○(数字4桁)」英数字5桁数字3~5桁で型番(品番)が構成される傾向にあります。

また、色(カラー)にも「B4○○○(英数字3桁)」「B4/○○(英字2桁)」という型番が付く傾向にあります。

プラダの法則性

「英数字6桁_英数字3~4桁_英数字5桁_V_英字3桁」アンダーバーを含む英数字22~23桁で型番(商品品番)が構成される傾向にあります。

バッグの場合、最初の6桁はサイズ形状を表し、女性用「1B」男性用「2V」から始まります。次の3~4桁は素材、その次の5桁はカラーを表しています。「V」はバッグ全般に固定して付けられ、最後の3桁もバッグ全般に付きますが、これらが何を表しているかは不明です。

財布だと「英数字6桁_英数字3~4桁_英数字5桁」と、バッグとは違い「V」と最後の英字3桁はありませんが、それぞれが表すものはバッグと同じです。ただし、最初の6桁は女性用だと「1M」男性用だと「2M」から始まるようになっています。

セリーヌの法則性

コンマを含む英数字14桁で型番(参考)が構成される傾向にあり、この型番は大きく4つに分かれます。

最初の数字2桁は「ラゲージ」といったシリーズ名、次の数字4桁は「ナノ」といったデザイン形状、その次の英数字3桁は「ドラムドカーフスキン」といった素材その加工法、最後のコンマ後の英数字4桁は「セージ」といったカラーを表しています。