ガーネット家
1月の誕生石として有名な「ガーネット家」ですが、「ガーネット」と聞けば「ルビー」のような赤系統の色を連想する方が多いと思います。しかし、実は緑系統の色の子もいます。また、特筆すべきは赤色のわずかな色合いの違いによって名前が細分化される点です。
例えば、「コランダム家」で赤色の子を「ルビー」と呼びますが、その赤色はさまざまです。明るい赤だろうが暗い赤だろうが赤色なら「ルビー」と呼ばれます。しかし、「ガーネット家」においてはそうではなく、明るい赤なら「パイロープ・ガーネット」、暗い赤なら「アルマンディン・ガーネット」のように赤は赤でもその色合いの違いで明確に名前分けされます。
要するに、他の一家なら「赤色」に相当する子が1人なのに対して「ガーネット家」は「赤色」に相当する子が複数人いるということです。
ガーネット家…赤系統グループの子たち
パイロープ
色調:明赤~赤
「ルビー」のような鮮やかな赤色です。
アルマンディン
色調:暗赤~褐赤
ワインのような深く澄んだ赤色です。
スペサルティン
色調:橙~橙赤
鮮やかなオレンジ色の子は「マンダリン・ガーネット」と呼ばれます。
ヘソナイト
色調:褐黄~褐赤
「オレンジ・ガーネット」とも呼ばれ、体内のキズ(インクルージョン)が特徴的です。
また「パイロープ」+「アルマンディン」=「ロードライト」のような混合(中間)タイプがいることも特徴です。
ガーネット家で仲睦まじく暮らす「パイロープ」と「アルマンディン」の手を繋ぎ、2人の間でにっこりしているのが「ロードライト」です。
ガーネット家…緑系統グループの子たち
グロッシュラー
黄色や橙色、白色の子もいますが、中でも緑色の子は「ツァボライト」と呼ばれ人気です。
マリ
黄~黄緑色の子で、「アルマンディン」と「グロッシュラー」の混合タイプです。
デマントイド・ガーネット
緑系統の子の中でも「デマントイド・ガーネット」と呼ばれる子は大変希少ですので、少し詳しく取り上げます。
1850年代、ロシアのウラル山脈でひと際まばゆい緑色のガーネットが発見されました。それが「デマントイド・ガーネット」です。オランダ語で「ダイヤモンドのような」を意味する「デマントイド」を冠するに値する、ダイヤモンドにも引けを取らない虹色の輝きから、「ガーネットの王様」と呼ばれたりもします。なにより興味深いのは、この子に現れることがある体内特徴(インクルージョン)です。
馬の尻尾のように見えるため「ホーステール・インクルージョン」と呼ばれ、「幸運の象徴」として珍重されています。
一般的に、インクルージョンは宝石の輝きを鈍らせるため好まれませんが、この子に限っては逆に価値を上げます。
なにより、「デマントイド・ガーネット」はイタリアなどでも発見されますが、「ホーステール・インクルージョン」が現れるのは何故かロシアのウラル山脈産のものだけというのが神秘的です。