教えて!シチタヌキさん!「”真珠が独特な色や光沢を持つ”のなぜ?」(R3.8/7UP)

真珠の構造

今週も先週に引き続き真珠に関するお話だぽーん♬

先週は真珠がどうやってできるのかについてだったわねぇ♪

貝殻を作り出す外套膜が何らかの要因で貝の中に入って、その破片が体内で真珠袋にまで成長すると袋の中に貝殻を形成しだし、その形成された殻が真珠ということでしたね

うむ。外套膜が自然に貝の中に入ってできた真珠を天然真珠、外套膜を人工的に貝の中に入れて真珠形成を促したものを養殖真珠と言うんだったね

そして、綺麗な円形の養殖真珠を作るために外套膜と一緒に挿入されるのが球状の核でしたね

真珠袋はこの核の周りにミルフィーユみたいな貝殻の層を形成するんだったわよねぇ♪

先週のおさらいはバッチリみたいだぽこね!さて、ここからが今週の内容になるぽんけど、このミルフィーユみたいな貝殻の層のことを真珠層と言って、真珠の大部分はこの真珠層で形成されているんだぽんけど、養殖真珠の場合核の周りに有機質層や稜柱層(りょうちゅうそう)と呼ばれる真珠層とは違う異質な層が形成される場合があるぽん♪

この真珠層は炭酸カルシウムでできた小さな結晶が幾重にも折り重なって構成されているよ。しかも、その結晶は1枚1枚がタンパク質でできた薄いシートのようなもので接着されているんだ

うわぁ…。まさに、生物だからこそ織りなせる緻密な構造ですね…

すごいぽんよね~♪この真珠層を構成する炭酸カルシウムの結晶とタンパク質のシート、そして核周辺の異質層が真珠の持つ独特な色や光沢に関わってくるぽこ♬

真珠の色や光沢のメカニズム

どんな風に関わってくるのぉ??

まず、炭酸カルシウムの結晶が幾百幾千と積み重なった構造そのものが光の干渉現象を起こし、結果として色を作り出す

光の干渉現象によって色が出ると言われて思い浮かぶのはシャボン玉ですね

うむ、シャボン玉が最も身近な例だろうね。このような光の干渉による色の最大の特徴は輝きを伴っており、色が濃くなれば濃くなるほど輝きも強くなるという点だよ

確かに、シャボン玉の色って煌めいてるわよねぇ♪

ここで真珠の構造と照らし合わせてみるぽんけど、時間を掛けてじっくり真珠層が形成された真珠はその分だけ真珠層の厚さが厚くなるわけだから、その構造そのものが引き起こす光の干渉現象もより強いものになるんだぽこ!

ということは、しっかり時間を掛けられた真珠は色も濃く出て、同時に輝きも強いものになるということですね!

そういうこと。このように、色と輝きが素晴らしい真珠のことを真珠業界では「てりが良い」と表現するんだよ

ほぇぇ…。てっきり光沢が良かったら「てりが良い」真珠だと思ってたけど、色も揃ってはじめて「てりが良い」真珠なのねぇ♪

ちなみに、この光の干渉現象による色は写真で再現できても、輝きそのものは再現することができないよ。つまり、真珠本来の「てり」を最大限楽しむには肉眼で見るしかないんだ

ぽーん♬次に、タンパク質のシートだけど、このタンパク質自体も色を持っているぽんよ!これは貝自体が出す色素によるもので、このシートは炭酸カルシウムの結晶に比べたら遥かに薄くて、1枚1枚には極僅かにしか色は付いてないぽんけど、このシートも幾百幾千と積み重なっているからしっかりとした色が出るぽん♪

最後に、真珠層には層が厚ければ厚いほど光を通さなくなり、逆に薄ければ薄いほど光を通すという性質があるんだけど、あまりじっくり真珠層が形成されていない真珠はそれだけ層が薄く、光を通してしまうわけだから、核周辺の異質層まで光が届いてしまうことがあるんだ

それで、つまりぃ?

この異質層自体が黒褐色や褐色を帯びているから、その色が透けて見えてしまうんだ。この異質層が核全体を覆っていたらまだ良いんだけど、一部だけが異質層で覆われている場合、その部分だけがシミのように見えてしまうんだ

シミ球と呼ばれるものですね…。まぁ、ネックレスなどの製品の場合は一般的に染み抜きや染色が施されているみたいですから、あまり見かけることはできませんが…

真珠の複雑さ

さて、ここまで炭酸カルシウムの結晶が起こす光の干渉による色、タンパク質のシートによる色、異質層が透けて見えることによる色といった3つの色因を説明してきたわけだけど、1粒の真珠にこれら3つの色が混在しているということになるね

そりゃぁ、真珠の色が複雑になるのも当然よねぇ...

しかも、これら3つの色それぞれの濃淡・程度・配分などを決めるのは貝の育つ海の環境や貝自身、真珠袋によるぽんから、真珠の色はもっと複雑なものなんだぽこ♬

だから、先週はシルバー系の貝殻を持つ貝からはシルバー系の真珠ができると説明したけど、これら色因の組み合わせによっては系統違いの色を持つ真珠が生まれることもあるんだよ

ほぉぉぉぉおう…

最後に、真珠は光沢にも種類があるぽん♪1つは表面光沢と呼ばれる物質表面の滑らかさで決まるものだぽこ!表面に凹凸が無ければ無いほど光の反射が増えるから光沢がよくなるぽん♪

そして、もう1つは内面光沢と呼ばれるものだよ。炭酸カルシウムの結晶の積み重なりから起こる光の干渉現象は色と輝きを伴うものだったね。つまり、真珠層という真珠内面から来る光沢だから内面光沢と呼ばれているんだ

じゃぁ、様々な色や光沢が1つに混ざり合って共存しているのが真珠というわけなのねぇ...!!

そうぽこ!!これが真珠が難しくも奥深く、神秘的で魅力的な由縁だぽこ♬