宝石のアレなぜ?コレなに?「”ベリル/クリソベリル家”てなに?」(R2.12/12UP)

ベリル家

「ベリル家」の中で最もポピュラーな子たちの名前は「エメラルド」「アクアマリン」です。「ルビー/サファイア」同様、色合いが異なるこの2人が同じ家の出身だということを初めて知った方も多いのではないでしょうか?そんな「ベリル家」の子たちを一部簡単にご紹介します。

エメラルド

エメラルド

5月の誕生石として有名で、四大宝石の1人でもあります。

体内に気泡やキズ(インクルージョン)を持つのが最大の特徴です。

アクアマリン

アクアマリン

3月の誕生石として有名です。

特に色が美しい子は「サンタマリア」というニックネームで呼ばれます。

サンタマリア
レッド・ベリル(ビクスバイト)

レッド・ベリル

「ビクスバイト」というニックネームで呼ばれます。

ホワイト・ベリル(ゴッシェナイト)

ホワイト・ベリル

「ゴッシェナイト」というニックネームで呼ばれます。

ゴールデン・ベリル(ヘリオドール)

ゴールデン・ベリル

「ヘリオドール」というニックネームで呼ばれます。

ピンク・ベリル(モルガナイト)

ピンク・ベリル

「モルガナイト」というニックネームで呼ばれます。

グリーン・ベリル

グリーン・ベリル

「エメラルド」と比べると淡い緑色の子です。

ブルー・ベリル

ブルー・ベリル

少し紫がかった「アクアマリン」のような水色の子です。

クリソベリル家

「ベリル家」と似た響きを持つ「クリソベリル家」には「クリソベリル」「アレキサンドライト」の2人がいます。

クリソベリル(キャッツ・アイ)

クリソベリル(キャッツ・アイ)

よく見聞きする言葉に「キャッツ・アイ」がありますが、この言葉と「クリソベリル」の関係は深いと言えます。

そもそも「キャッツ・アイ」を宝石の名前と捉えている方が多いですが、これは宝石に猫の目のような光の反射が起きる現象のことで宝石の名前ではありません。

なので「宝石名+キャッツ・アイ」とするのが正確です。「キャッツ・アイ」とだけ記載がある場合のほとんどは「クリソベリル・キャッツ・アイ」です。

アレキサンドライト

アレキサンドライト

「アレキサンドライト」は「昼のエメラルド/夜のルビー」と例えられるくらい見事な「カラーチェンジ(変色)」を示すという面白い体質を持っています。

具体的に言うと、屋外の太陽光の下(自然光下)では青緑色なのに、暗い室内のランプの下(白熱光下)では赤紫色に変色するということです。

この変色効果に加え「キャッツ・アイ」も併せ持つ「アレキサンドライト・キャッツ・アイ」という子は極めて希少です。

「クリソベリル」と「アレキサンドライト」の間にある決定的違いはカラーチェンジを示すか示さないかです。示せば「アレキサンドライト」、示さなければ「クリソベリル」となります。「キャッツアイ」は「アレキサンドライト」にも見られることがありますので違いとは言えません。

アレキサンドライト・キャッツ・アイ

クリソベリル家は硬度8.5で靭性もかなり優秀なので2人とも宝石界においては十分エリートと呼べます。しかし、「アレキサンドライト」はその硬度・靭性の高さに加え、美しいカラーチェンジも示すため、「貴石」として扱われたり四大宝石に加えて「五大宝石」とされたりすることもあります。

ベリル家とクリソベリル家

名前はよく似ていますが、「ベリル家」と「クリソベリル家」は全くの別家系です。なのに、両家に同じ「ベリル」が付くのは、双方に「ベリリウム」という元素が含まれていることが要因と言われています。なので「宝石名(変種名)クリソベリルは鉱物ベリルの一種である」といったようなひっかけ問題には注意ですよ~。