貴金属のアレなぜ?コレなに?「”750″てなに?」

貴金属製品に見られる3桁数字

金製品に「750」といったような3桁数字が刻印されている場合があります。その数字の意味の解説の前にまずは「貴金属」について簡単に触れておきましょう。

貴金属というのは読んで字のごとく「貴な金属」という意味です。この「貴」の定義は「化学的に安定で、耐食性に優れ、色も美しく、かつ資源的にも貴重で希少である」です。そんないわば金属界の貴族の代表格といえば「金」「銀」「プラチナ」です。これらの貴金属にはその品位(純度)を表す単位があります。その単位として用いられるのが「1000分率(‰:パーミル)」です。これはあるものの量が全体の1000分のいくつに相当するかを表すものです。

金の品位表示

「K18(24分率)」を例に挙げますが、この表記があるものはつまりは「金」です。「金」は貴金属なわけですから「1000分率」で表記されることがあります。「K18」は「18/24=75/100%」が金ですから、これを「1000分率」表記に変換すると「金の量が製品全体の1000分の750 」となり、表記は「750(‰)」といった3桁数字となるわけです。

金のみ「24分率表記」と「1000分率表記」の場合があるわけですが、一般的に日本国内の金製品は「24分率表記」、海外製品は「1000分率表記」のものが多いと言われています。海外製品にも「24分率表記」のものが見受けられることもありますが、「18K」のように数字の後にKがくる「あとK(あとけー)」と呼ばれるものが多いです。日本語では「じゅうはちきん」などとよく言いますので「あとK(18K)」の方がしっくりくる気がしますが、これにはその表記通りの金の純度に満たない場合が少なからずあるため注意が必要です。

ちなみに、金の24分率表記と1000分率表記は以下のように対応しています。

K24999(‰)K14585(‰)
K22916(‰)K10416(‰)
K18750(‰)K9375(‰)

あとけー刻印のリング

純金属の宿命「経時軟化」

純粋な状態の貴金属(金・銀・プラチナ)のことを「純金属(純金・純銀・純プラチナ)」といいます。これら純金属には「経時軟化」といわれる現象が起こります。これは読んで字のごとく「時間が経つにつれて軟らかくなっていく」という現象のことです。

貴金属はジュエリーによく使用されている素材なわけで、頻繁に身に着けるであろうものです。とりわけ、「身に着けるなら本物がいい」といった「本物(純金属)」に対するこだわりを持つ方も少なくはないです。だからといって、純金属を身に着け続けるとどうなるでしょうか?純金属は時間が経つにつれて軟らかくなる、つまりは変形してしまう可能性があるわけですから「買った時と形が違う!!」と問題になり得るのは目に見えています。かといって、「K18」のような貴金属だと経時軟化は起こしませんが、本物に対するこだわりを満たすことはできません。

経時軟化して変形した純金リング

そんな経時軟化の問題と本物に対するこだわりを同時に解決するため見出されたのが「1(‰)」の添加物で純金属の経時軟化を防止し、ほぼ純金属という形で使用できるようにするというものです。K24(純金)を1000分率表記したとき、なぜ「純」なのに「999(‰)」なのかの理由は、経時軟化を防ぐ「1(‰)」の添加物を反映しつつ、それを「ほぼほぼ限りなく」ではありますが「純金」として認定しているからなのです。

純金インゴット

勿論、添加物を加えていない本当に純粋なままのものなら「1000(‰)」となりますが、それはインゴットやコインなどの資産としての形はあってもジュエリーとしての形はほぼほぼ見かけません。写真の純金インゴットのように「1000(‰)」ではなく「「999.9(‰)」となっているのは、洗剤CMなどがその除菌率を「99.9%」とするのと似たような理由でしょう。

ちなみに、純金属の品位表示が「999(‰)」となったのは2012年4月以降のことで、それ以前のものは「1(‰)」の添加物が入っていても「1000(‰)」だったようです。

1000(‰)刻印

たまに「1000(‰)」表記のものを見かけますが、これは2012年4月以前のもので、現在の表記で言うところの「999(‰)」です。