
オリビン家
「ペリドット」と聞けばわかるでしょうか?鮮やかな緑色とオイリーな光沢が特徴のこの子は「イブニング・エメラルド」の異名を持ち、仄暗い照明下ではより輝きます。前回触れましたので省略させてもらいますが、「ペリドット」は「トパーズ」と呼ばれていた時期もありました。
この一家は宝石界では珍しく1つの色合い(緑色)の子しかいません。更に特筆すべきなのは、この一家には他家とは毛並みの違う「パラサイティック・ペリドット」という珍しい子がいることです。
この子は宇宙から飛来した隕石から発掘された子で、「太陽からの贈り物」と呼ばれ珍重されています。
この子は1つの隕石からまんべんなく採れるわけではなく、1隕石全体の僅か1%ほどしか占めない「パラサイト」と呼ばれる石鉄隕石からしか採れません。また、そんな狭き門を通って生まれたとしても、宝石として活躍できるくらい綺麗で大きな子はほんの一握りですので、その希少価値は極めて高いです。
スポジュメン家
「スポジュメン家」と言われてピンと来る方はなかなかいないと思いますが、「クンツァイト」ならピンと来る方も多いのではないでしょうか?
この名前は鉱物学者兼宝石研究者のクンツ博士に因んでつけられた「ピンク・スポジュメン」のニックネームですが、「クンツァイト」の方が一般的に広く浸透しています。
ゾイサイト家
「ゾイサイト家」には長らく不透明な子しかおらず、飾り石や彫刻材料に利用される程度で、その人気度・認知度は高くありませんでした。しかし、東アフリカのタンザニアで紫色を帯びた青色の透明な子が発見されたことで転機を迎えます。