ブランド品のアレなぜ?コレなに?「”モノグラムやダミエ”てなに?」(R3.4/10UP)

「モノグラム」とは?

そもそも「モノグラム(monogram)」というのは「文字や模様を組み合わせた記号」のことです。例えば「モノグラム」はバッグや財布、服などの柄としてさまざまなブランドが使用していますし、その他の多種多様な業界でも用いられています。このように、本来「モノグラム」は包括的なものです。しかし、ブランド界におけるその意味合いは非常に限定的なものになります。

世界的有名ブランド「LOUIS VUITTON(ルイヴィトン)」にはその象徴ともいえる「モノグラム」があり、その柄のシリーズ自体を「モノグラム」と言います。この言わばルイヴィトンの「モノグラム」が他の「モノグラム」を凌駕しています。

試しに「モノグラム」で画像検索してみてください。「モノグラム」が真に包括的なものなら、いろいろなブランド、業界の柄が検索結果として出てくるはずです。しかし、実際はほとんどがルイヴィトンの「モノグラム」と限定的です。

このことから、「モノグラム」といえば、まず第一にルイヴィトンを象徴する「モノグラム」というシリーズ名称を指すという共通認識が世間一般にあることが明らかです。

Googleでの「モノグラム」の画像検索結果(R3.4/6時点)

ルイヴィトンの象徴「モノグラム」

ルイヴィトンのモノグラム

そんなルイヴィトンの「モノグラム」は創設者ルイ・ヴィトン氏のイニシャル「L・V」という文字との模様の組み合わせで構成されています。

この花と星の模様は日本の家紋から着想を得たと言われています。

「モノグラム」は当時横行していた「ダミエ」という柄(後述)の模造品対策として考案されたもので、当時は職人の手で1つ1つ描かれていました。

家紋の例

今なお、世界中の人々から愛され続けるルイヴィトンの象徴「モノグラム」にはさまざまな派生(バリエーション)がありますので、よく見聞きするものをいくつかご紹介します。

モノグラム」のバリエーション

モノグラム・リバース

リバース

「モノグラム」のカラーリングを反転させたものです。

モノグラム・エクリプス

エクリプス

「モノグラム」が「エクリプス (eclipse) =日食/月食」したかのような黒色になったものです。

モノグラム・マルチカラー(ブロン←→ノワール)

マルチカラー

「モノグラム」をカラフルにデザインしたもので、下地が白色のものを「マルチカラー・ブロン」、黒色のものを「マルチカラー・ノワール」と言います。

モノグラム・マカサー

マカサー

「モノグラム」とブラックレザーを組み合わせたものです。

モノグラム・アンプラント

アンプラント

「モノグラム」を「アンプラント(empreinte)=刻印/型押し」したものです。

モノグラム・ヴェルニ

ヴェルニ

「アンプラント」を「ヴェルニ(vernis)=エナメル」加工したものです。

モノグラム・マヒナ

マヒナ

「モノグラム」をパンチング(穴の打ち抜き)加工したものです。

モノグラム・ジャイアント

ジャイアント

「モノグラム」を拡大したものです。

もう1つの象徴「ダミエ」

ルイヴィトンのダミエ

「モノグラム」と並んでルイヴィトンを象徴する柄(シリーズ)が「ダミエ」です。「ダミエ」という名前ですっかり定着していますが、正確には「ダミエ・エベヌ」と言います。※ここでは「ダミエ」で統一して記載します。

この柄は日本の市松模様から着想を得たと言われています。ルイヴィトンを代表する「モノグラム」「ダミエ」ともに日本の影響を多大に受けているというわけです。

市松模様の例(某アニメでお馴染みですね)

そんな「ダミエ」は当時、その単純なパターンの繰り返しゆえに模倣品が大量に出回っていました。その対策として「モノグラム」が生み出されたわけですが、その「モノグラム」が人気を博したために「ダミエ」は一時姿を消してしまいました。しかし、根強い人気でついに復活を果たし、今なおさまざまなバリエーションが誕生しています。

ダミエ」のバリエーション

ダミエ・グラフィット

グラフィット

「ダミエ」を鉱物「グラファイト」のような黒色にしたものです。

ダミエ・グラフィット3D

グラフィット3D

「ダミエ」のパターンをさまざまなサイズ・色で組み直したものです。

ダミエ・アズール

アズール

「ダミエ」を白色にしたもので、日本では「白ダミエ」とも呼ばれます。

ダミエ・カラー(ピンク)

カラー

「ダミエ」にカラーバリエーションを持たせたものです。青/黄/黄土/赤紫/紫/ピンク/灰の全7色あります。

ダミエ・アンフィニ

アンフィニ

「ダミエ」にエンボス(文字や絵柄を浮き彫りにする)加工を施したものです。

ダミエ・ジェアン

ジェアン

「ダミエ」を拡大したものです。

「モノグラム」「ダミエ」以外の柄

最後に、「モノグラム」「ダミエ」以外でよく見聞きする柄を2つだけご紹介します。

エピ

エピ

風にたなびく「エピ(epi)=麦の穂」をイメージしたものです。

タイガ

タイガ

「タイガ(taiga)=針葉樹」を思わせるような精巧な柄が型押しされたものです。