石英(クオーツ)家
石英(クオーツ)家は「水晶」と「瑪瑙(めのう)」の2つのグループに分かれます。この両者の違いを簡単に言うなら透明か半/不透明かです。
イメージにはなりますが、「水晶」は1つの粒が大きくなったものなので透明、「瑪瑙」は超極小の粒が集合したものなので半/不透明になります。
少し専門的に言うと、「水晶」は単結晶のクオーツで「瑪瑙」は多結晶質のクオーツです。
「石英(クオーツ)」という1つの家なのですが、その中に1Fと2Fがあって、両者で住み分けしているイメージです。
1F「水晶(単結晶クオーツ)」グループ
アメシスト(紫水晶)
1Fに住む「水晶」の中で最も馴染み深い子は「アメシスト」でしょう。2月の誕生石でもあるこの子は紫を高貴な色とする日本人に人気があります。
「水晶」グループには他にどんな子がいるのかを簡単にご紹介します。
シトリン(黄水晶)
この子は「アメシスト」を加熱すると生まれます。
加熱加工が施されていない天然で黄色い「シトリン」は希少です。
アメトリン(紫黄水晶)
「アメシスト」と「シトリン」の混合タイプです。
天然でこのような発色の子は極めて希少です。
グリーン・アメシスト(緑水晶)
「アメシスト」を加熱して緑色になった子です。
ホワイト・クオーツ(水晶)
「ロック・クリスタル」というニックネームで呼ばれる子です。
2F「瑪瑙(多結晶質クオーツ)」グループ
「瑪瑙」はその身体に現れる縞目や模様などによってその総称が大きく3つに分かれます。
①均一な色で縞目や模様などを持たない子の総称「カルセドニー」
クリソプレーズ
緑色の「カルセドニー」です。
カーネリアン
赤色の「カルセドニー」です。
②曲線状の縞目や複雑な模様を持つ子の総称「アゲート」
モス・アゲート
まるで体内に植物(苔:moss)を取り込んだかのような複雑な模様を持つのでこう呼ばれます。
③白色の直線的な縞目を持つ子の総称「オニキス」
ブラック・オニキス
黒色の「オニキス」です。
サード・オニキス
橙色の身体に白色の縞目を持つ「オニキス」です。
白色の直線的な縞目を持つ子を「オニキス」と総称するなら、「ブラック・オニキス」は縞目を持っていないから、どちらかというと黒色の「カルセドニー」じゃないのか?と疑問に思う方がいるかもしれません。
実は、「瑪瑙」の分類はもっと複雑に細分化されています。しかし、当コラムではこの程度のざっくりとした説明でとどめておきます。
最後に「石英(クオーツ)家」の簡易的なまとめを載せておきます。
「アメシスト」は紫色の「水晶」→「水晶」は透明な「石英(クオーツ)」
「クリソプレーズ」は緑色の「カルセドニー」→「カルセドニー」は均一な色で模様のないタイプの「瑪瑙」→「瑪瑙」は半/不透明な「石英(クオーツ)」
といった感じになります。