天然宝石と合成石
今回は以前のコラムに出てきた合成石について少し詳しく解説していこうと思います!
たしか、合成石って天然産の宝石と同じ成分・構造を持つように合成されたもののことだったわよねぇ♪
うむ。では、そんな合成石はどのようにして作られているのか?ということに興味を持ったことはないかな?
あるあるぅ♪試験管とかフラスコの中で合成されるのかしらぁ…?
さすがに専用の炉や坩堝(るつぼ)を使うと思いますよ...!!
宝石の合成法その1「ベルヌイ法」
さて、宝石の主な合成法はメルト相法と溶液相法の2つに大別されるぽこ♪
…めると…ようえきぃ……??
順番に代表例を1ずつ挙げて解説していきましょう!
まず、メルト相法だけど、これは宝石成分を溶融(メルト)して結晶化させる方法で、中でも有名なのがベルヌイ法だね
っあ!!聞いたことある!!ルビーの合成に初めて成功した方法だっけぇ!?
ベルヌイ法による合成ルビー結晶
ぽぽん♪ベルヌイ法ではルビーの他にもサファイヤやスピネルなども合成されているぽこよ!
ベルヌイ法による合成には短時間・低コストという利点があるよ
それゆえ、比較的安価で入手することもできますね
ただ、ベルヌイ法で合成されたものには天然宝石には見られない特徴が確認できるぽこよ…
合成ルビーに見られるレコードの溝のような模様がわかりやすいかな
見る人が見れば一目瞭然ねぇ...
宝石の合成法その2「フラックス法」
次に、溶液相法だけど、これは宝石成分を溶液に溶かして結晶化させる方法で、中でもフラックス法が有名だね
フラックス法はエメラルドの合成に初めて成功した方法ですね!
フラックス法による合成エメラルド結晶
ぽこん♪フラックス法ではルビーやサファイア、スピネルの他にもベルヌイ法では合成できないエメラルドやアレキサンドライトなんかも合成されているぽん♪
フラックス法は長時間・高コストだけど、 天然宝石との識別が困難な合成石を作ることができるよ
じゃぁ、ひとえに合成石と言っても、その合成法いかんでは価格が変わってくるのねぇ...!
工業的な利用例
腕時計の耐震装置(合成ルビー)
うむ。工業的な利用の際はベルヌイ法、宝飾的な利用の際はフラックス法といった具合に使い分けるようだね
ちなみに、エメラルドやアレキサンドライトはベルヌイ法では合成できないんですか?
できないぽん!詳細は省くぽんけど、ベルヌイ法でそれらを合成するとガラスになってしまうぽこよ…!
ほぇ~、ふしぎねぇ~…
意外と少ない合成宝石の種類
改めて見ると、合成される宝石種って案外少ないですね。もっと合成できないんですか?
技術的には可能だろうね。だけど、合成法の確立には時間もお金もかかるから、その採算が採れる宝石種でないといけない
そりゃぁ、採掘した方が安上がりな宝石をわざわざ合成してもうまみがないもんねぇ…
合成されていないとされる宝石種例 |
トパーズ、トルマリン、ペリドット、タンザナイトなど |
そうだぽん♪なんでも合成石があるわけじゃなく、合成コストに見合った宝石種のみが合成されるというわけだぽこね!